退職する役員が保有する株式を買い取る交渉を、会社の代理人として務めました。
非公開会社では、株式が市場に流通しておりませんので、株価をどのように評価するのかが問題となります。
評価方法としては、純資産方式と収益還元方式というものがございます。前者は、貸借対照表に表される純資産価値を全ての株式の数で割って、1株の価値を計算する方式です。後者は、将来も含めた会社の収益性を評価して、1株当たりの価値を計算する方式です。
裁判例を見ますと、廃業を検討していない限り、後者の方式で株価を評価することが多いようですが、公認会計士に依頼をして収益性評価をして頂く必要があります。
当事務所の交渉事件では、純資産方式を用いて、着手から3か月程度で交渉を終わらせました。ここ3年間の会社の純利益が伸びており、固定資産が小さく、貸借対照表が会社の収益性をよく表していたためです。そのような場合であれば、貸借対照表を用いて早期に交渉を進めることも可能になります。