弁護士 村本 拓哉
1年ぶりに弁護士研修の同期と研修地である岩手でスキーをしました。午前10時から午後4時まで、昼ご飯を挟んで5時間ほど滑りました。午前中は、久しぶりのスキーが楽しくて、疲れを忘れて滑り、お昼はいつものようにラーメンを食べて大変満足でした。
ここまでは、非常に順調に進んでいたのですが、午後になり、岩手で弁護士をしている男(以下、地元の男といいます。)と、本業がプロスノーボーダーで副業として弁護士をしている男(以下、プロボーダーといいます。)が、上級者コースに行こうと言い出しました。残念ながら、私はここで勇気の撤退をするという考えに至らず、無謀にもこれに賛同してしまいました。その結果、プロボーダーは華麗にコースを突破しましたが、地元の男と私は、スキー板を飛ばし、ゲレンデで板を探してさまようことになりました。幸いにも板は見つかり、大事には至らなかったのですが、私は急斜面で板を履くことができず、避難所への退避のためにゲレンデを自分の尻で滑って行く中で、盛岡にまで来て何をしているのだろうという思いにとらわれました。
翌朝、プロボーダーが別のスキー場に行こうと当然のように言い出すのですが、昨日の失敗で学習をしていた地元の男と私は、迷うことなく山を下りました。そしておとなしく盛岡の神社に初詣に行き、おみくじを引いて「大吉だね。良かったね。」とお互いの幸運を祈りました。私たちはすっかり心を折られていました。