近年、商品やサービスについて、インターネット上の広告を目にする機会が増えています。

インターネット上の広告は便利な反面、景品表示所法上、注意するべきこともあります。

このコラムでは、事業者が注意すべきことを中心に解説します。

1 インターネット上の広告

近年、インターネットの普及により、インターネット上で商品やサービスに関する広告が多く行われるようになっています。

インターネット上の広告は、消費者が簡単にアクセスでき、しかも、多くの消費者が目にすることが見込まれますので、事業者にとっては非常に有効な広告のひとつであるといえます。

しかし、インターネット上の広告については、景品表示法上注意が必要な特有の事項もありますので、事業者として注意が必要です。

以下では、インターネット上の広告について、事業者が注意すべき事項を中心に解説します。

2 インターネット上の広告の注意点

(1)強調表示と打消し表示

商品やサービスのメリットをアピールする強調表示とともに、打消し表示(その条件や例外事項などに関する表示)が行われることがあります。

通常、強調表示と打消し表示は、消費者が一度に目にすることができる範囲にあることが多いです。

しかし、インターネット上の広告では、打消し表示がハイパーリンクなどの別のページからアクセスする形となっていることがあります。

景品表示法上、このような方法が直ちに違法となるわけではありません。

ただし、以下のような注意点があります。

①打消し表示を強調表示と別のページで表示する場合、ハイパーリンクの文字を具体的に記載するとともに、ハイパーリンクの文字の大きさや色なども目立つようにする必要があります。

②打消し表示に誘導するためのハイパーリンクの文字は、そのリンク先に何が記載されているのかがわかるように具体的に記載しなければならないとされています。

ガイドライン上、「重要情報」、「必ずお読みください」というような表示では足りないとされています。

(2) 情報の更新

インターネット上の広告で特に注意が必要なのが、情報の更新です。

例えば、不動産仲介業者が、成約済みになった物件をそのままウェブサイトに掲載していた場合、おとり広告とされる可能性があります。

このようなことにならないようにするためには、ウェブサイトに掲載する情報を常に更新して最新のものにしておくことが理想ですが、実際には難しいこともあります。

そのため、現実的な方法としては、「掲載している物件は成約済みのことがあります。詳しくはお電話でお問い合わせください。」などと注意書きを添えておくことが考えられます。

また、インターネット上の広告については、更新日時を明示することも必要です。そうでないと、一般消費者がその情報について正しく判断できないためです。

3 その他

これ以外にも、インターネット上の広告については、有利誤認表示や優良誤認表示等の不当表示の規制が及ぶことは当然です。

そのため、インターネット上で広告を行う場合には、以上見てきたこと以外にも、不当表示等の規制には個別に注意する必要があります。

4 まとめ

以上見てきたように、インターネット上の広告を適法に行うためには、注意するべき点がたくさんあります。

これらの広告を行う際には、各要件を満たしているかどうか、よく確認する必要があります。

これらの広告は、一般消費者を誘引するための有効な手段ではありますが、やり方を間違えると、景品表示法上の規制・行政処分等を受けることになってしまいます。

インターネット上の広告には、このコラムでご紹介したもの以外にも、ケースごとに注意するべき点について法律に関する専門的な知識や判断が必要になりますので、お困りの場合は、お早めに弁護士に相談されることをおすすめします。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 権田 健一郎

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