自分の子どもが学校でいじめられているかもしれない、そんな疑念が少しでも出てくると気が気でないと思います。

子どもに話を聞いても、なかなか何も話してくれない、子どもを守るために色々と聞きたいけど、かえってそれで子どもに負担をかけてしまうかもしれない…

どのタイミングでどのように親が介入すべきかは非常に難しい問題かと思います。

ここでは、親がどのような対応を行うことが考えられるかについて学校法務の観点から解説します。

親が子どものいじめに介入するタイミングは?

親が子どものいじめに介入するかどうかは非常に難しい問題と思います。

しかし、介入をしないことで大きな問題になることは避けるべきです。

親が子どものいじめに介入するべきないと躊躇うほとんどの理由は、介入することでより悪化したらどうしよう、という問題意識からだと思います。

確かに、親が介入することでより悪化する可能性は否定できません。

しかしながら、介入をしないことでどんどんいじめがエスカレートする可能性があることもまた事実です。

いじめ問題は、子ども同士で解決できることがもちろんもっともよい方法かと思います。

しかし、いじめは、もはや子ども同士で解決できる問題ではない事態を指すことが多いです。

法律上、いじめとは「児童等に対して、当該児童等が在籍する学校に在籍している等当該児童と一定の人的関係にある他の児童等が行う心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているものをいう」と定義されています。

この定義に当たる時点で、すでに子どもだけでは解決が困難な場合が多いです。

そのため、いじめがあったと判明した時点で何かしらの介入自体は必要と思います。

問題は、介入の仕方や方法です。

この点については、のちほど解説いたします。

まずは、いじめに介入すべきタイミングについて見ていきます。

子どもからの間接的なSOS

子どもからのSOSがあった場合には、何らかのかたちで親が介入すべきかと思います。

子どもからのSOSには、

・登校することを嫌がる
・感情が不安定になる
・うわの空のことが多くなった
・拒食や極端な小食が続く
・「つらい」「つかれた」などと極端にいう
・朝不自然に起きられなくなる

などがあるかと思います。

もちろん、これらがあるからといって直ちにいじめがあるわけではありません。

ですが、このようなシグナルを察知した場合には、いじめ問題について意識を向けることが必要です。

いじめ問題に意識を向けるだけでも、非常に大きな一歩となります。

被害を受けていることのサイン

いじめ被害を受けている子の多くは、親や先生にいじめの被害などについて隠すことが多いです。ここには様々な気持ちが渦巻いておりますが、いじめ被害は精神的にとてつもない負担ですので、行動などに変化が出ることが多いです。

・体の不調を訴えることが多くなった
・怪我が多くなった
・話をしたがらなくなった
・物をよくなくす(壊す)ようになった
・お金を不自然に欲しがるようになった
・身なり(自分のにおいなど)を過剰に気にするようになった

このような変化が見られることが多いです。

このような変化があった場合、介入の方法は別として、親が介入すべきと考えられます。

加害のサイン

いじめ問題は、当然ながら加害者に問題があります。

自身の子がいじめを行っているとは信じがたいかもしれませんが、万が一という事もあり得ます。加害者になってしまっていないかについても親がアンテナをはることが重要です。

・深夜まで帰宅しなくなった
・お金の使い方が荒くなった
・親が買い与えていない品物が増えた
・口調が不自然に荒くなった
・それまでと違った雰囲気の交友関係が広がった

このような変化は、いじめの加害者になっている場合に見られるサインです。

単に反抗期という可能性もありますが、少しでも不安があった場合には、親が注意深く観察し、何かしらの介入をすべきです。

介入の方法

親がいじめに介入すると言っても、そこには様々な方法があります。

非常に難しい問題ではありますが、その時々に応じてどのような介入の仕方をするかを深く検討する必要があります。

介入の仕方としては、

・いじめの有無について注意深く観察する
・親が子どもの味方であることを示す
・いじめ問題がれっきとした法的問題であり、被害を受けていることは決して恥ずかしい問題ではないことを示す
・学校側にいじめがある可能性を指摘する
・いじめが法律上罪に問われる可能性があることを示す
・学校や教育委員会、国営の相談所へ相談する
・弁護士に相談する

という様々な方法があります。

いきなりいじめの当事者や、その親に対して連絡をしたり、事態を伝えることは必ず霜得策ではないと考えられます。

もっとも、すでに重大事態に発展しているなど悠長にしている暇がないときには、警察や弁護士、学校、教育委員会などに直ちに相談すべきです。

こうした第三者への相談のみならず、子どもに寄り添うことだけでも十分な介入となります。

緊急性があるかどうかをうまく見極めて対応をすべきであり、非常に難しい問題ですが、親としても挑戦をする必要があります。そのような親御さんをサポートするために、学校や教育委員会、相談所があるので、そこに相談をすることも有効です。

まとめ

ここまで、いじめ問題について親が行うべき行動について解説しました。

子どもを取り巻く様々な状況などを考慮して親としては介入をすべきですが、これは容易なことではありません。

相談所などを頼るなども重要な手段ですので、ぜひご活用ください。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 遠藤 吏恭

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