最近、無免許であるにも拘わらず、自動車の居眠り運転をして登校中の児童に突っ込み、複数の死傷者を出したという少年が、京都家裁で逆送となったというニュースが話題になっていましたね。
そこで今回は、少年事件について、(私個人の意見も交え)お話ししたいと思います。
ドラマなどで比較的よく取り上げられている民事事件のほかにも、刑事事件のうちの「少年事件」という分野で弁護士が出てくることがあります。
一般的な刑事事件において、特別刑法を含む刑法に違反したと疑われた場合に被疑者・被告人に付される弁護士が「弁護人」と呼ばれるのに対し、少年事件で非行があるものとされた少年の代理人として関わる場合、その弁護士は「付添人」と呼ばれます。
「弁護人」と「付添人」は、どのように違うのでしょうか。
一般的な刑事事件において弁護人に期待されている主たる職務は、法定手続の保障のために被疑者・被告人の手助けをし、被害弁償や良い情状を引き出すための活動をすることです。
これに対し、そもそも少年事件は非行(あるいはその疑い)がある少年に対し保護・教育することを第一の目的としているため、付添人に期待されている職務も、被害弁償等に留まらず、非行原因を探り、その原因を取り除くためにどのような措置が必要かを少年らと共に考えていくことにあると思われます。
私は日ごろ付添人として少年事件に関わることもありますが、実際には18歳を超えていても成年と同じように扱うのが酷といえる幼い少年も多いという感があります。
確かに、冒頭に申し上げました多数の死傷者が出るという痛ましい少年事件については、少年法による非行少年の保護が厚すぎるとのご意見もございますし、成年とすべき年齢をもっと低くしようというご意見もあるでしょう。
国民の皆様の中には、様々な意見はあるかとは存じますが、少年事件の主目的が非行少年の保護・教育にあることからすれば、少年の非行についてただただ厳罰化をすれば良いというものでもなく、慎重にならざるを得ないのかもしれません。