弁護士 田中 智美
ナビの音声コマンド入力で「自宅(に戻る)」と指示すると、滑舌が悪いのか、毎回、「道の駅きたかわべ」に案内されてしまう今日この頃です。
今回は、真夏に相応しい、ちょっと怖い話・・・。
その一
今から数年前のこと。
明け方(まだ周囲は真っ暗)にJ磐自動車道を走っていて、陸橋下を通過した直後、突然、「バゥン」と大きな音がして、ルーフに衝撃を感じました。
「何か落下してきた?もしかして、と、飛び降りとか・・・?」
慌てて路肩に車を寄せ、車外に出て確認をしたのですが(高速でこの行動、本当はいけませんね)、ルーフは全く凹んでいませんし、自分が今走ってきた道路上に落ちている物体は何もありません。
「何だろう?もしや、これが俗に言う虫の知らせというやつでは・・・」
とも思ったのですが、その後、親族・友人知人に不幸はありませんでしたし、特に変わったこともありませんでした。
その二
これはつい先月のこと。
I県T市内の県道を走っていて、赤信号で停止しました。
しばらくすると、左後部座席の窓ガラスを誰かが「コンコン」と叩く音がして、振り返ったのですが、誰もいません。
真昼間なのですが、道の両側には背の高い街路樹が延々と植わっていて、道路はその陰にすっぽり覆われています。車道はもちろんのこと、歩道にも歩行者はいません。
おかしいなぁと思いつつ、車を発進させ、また次の交差点で赤信号に引っ掛かりました。
しばらくすると、また、今度はすぐ耳元、運転席横の窓ガラスで「コンコン」という音が。
一人の車内で、「ひっ!」と短い悲鳴を上げてしまいました。
窓ガラスの外には、やはり誰もいません。
さすがに気味が悪くなり、その県道を逸れて、最初のコンビニの駐車場に車を滑り込ませました。ハッチバック内(ブースターケーブルと三角板、空気圧計しか入っていません)や、念のためエンジンルーム内まで確認をしましたが、コンコン音の正体となるような物体(生き物?)は何もありません。
その後は、信号待ちで停まってもそのような現象は二度と起こりませんでした。
その三
1年くらい前のこと。
S県A市内のバイパス道路を走っていた時、何気なく、隣車線を走っている軽自動車の車内に目をやったところ、営業マンらしきスーツ姿のおじ様が、ハンドルの上に漫画雑誌を広げて読みながら、左手で棒アイスを食べていました。
信号待ちで停車中の出来事・・・ではありません。
おじ様は、その状態でずっと運転しているのです。
目線はほぼ漫画に吸い寄せられていて、時折思い出したように、ちょっと目を上げて前車との距離を確認するのみ。かなり慣れた感じがしますが、あ、アブナイ・・・。
見てはいけないものを見たような気がして、私はそぉっと速度を上げておじ様の車から離れました。
私にはいわゆる霊感のようなものは全くないので、その一もその二も、隠れた真実があるのだと思います(鳥がぶつかってきているとか、疲れからくる幻聴とか・・・)。
一番怖いのは、何と言ってもその三のようなケースですよね。