弁護士 相川一ゑ
アメリカのドラマを見ていると、時々「あの裁判官は労働者寄りの考え方だから、この事件は勝ったも同然だな」などというようなセリフがあり、明らかに考え方に偏りのある裁判官が登場することがあります。
日本の裁判官はどうか、というと、このようなあからさまな偏りはないように思われます。
もちろん、「何とか判決ではなく和解で事件を終わらせよう」と当事者の説得に信じられないほど情熱を燃やす人や、なかなか判決を書いてくれない人、証拠をきちんと見ているのか見ていないのか分からないという人もいるのですが、「この裁判官だからこの事件は勝てる」とか「負けてしまう」とかいう心配はあまりないのではないでしょうか。
アメリカのドラマは誇張しすぎで、実際には冒頭で述べたような裁判官などいないのかもしれませんが、日本の裁判官が基本的には中立的で、横領などの汚職は諸外国に比べれば明らかに少ないと、弁護士の立場から見ても感じるところは、とても素晴らしいことだと思います。