ギャンブルが原因で借金を抱え、自己破産を行う方は少なくありません。

そのような場合、免責が認められるかどうかは様々な事情により判断されることになります。

このコラムでは、ギャンブルを原因とする自己破産についてケース別に解説します。

1 ギャンブルを理由とする破産について

(1)破産手続におけるギャンブルの位置づけ

破産手続におけるギャンブルの位置づけ

ギャンブルには、パチンコ・スロット・競馬・競輪・競艇・宝くじなど、様々な種類があります。

破産手続上、ギャンブルは「浪費行為」とされ、免責不許可事由(免責を許可しない理由にあたる事由)にあたるとされています。

そのため、借金の原因がギャンブルである場合は、破産を申し立てても免責されない可能性があるのです。

もっとも、実務上、破産の原因がギャンブルであったとしても、免責がされることはあります。

これは、「裁量免責」といって、免責不許可事由がある場合でも、裁判官の判断により、免責を許可することができるのです。

裁量免責の有無においては、問題となっている行為(ギャンブルなど)の態様や程度、破産者の態度、他の免責不許可事由の有無などが考慮されることになります。

(2)裁量免責が期待できるケース

裁量免責が期待できるケース

以下のようなケースでは、裁量免責を得ることができる可能性はあります。

ア ギャンブルの態様が比較的軽微であり、本人も反省しているケース

この場合、他に免責不許可事由などがなく、破産者本人が破産手続において真摯な対応を行えば、裁量免責される可能性があります。

ギャンブルの態様(回数や費や)が大きくはないというのがポイントです。

また、ギャンブルの再発防止に向けて、ギャンブル依存症の防止に関するプログラムをまじめに受講しているということもプラスのポイントになります。

(3)裁量免責を得るのが難しいケース

裁量免責を得るのが難しいケース

逆に、以下のようなケースでは、裁量免責を得るのはかなり難しいと考えるべきです。

ア 以前既にギャンブルを理由とする債務整理手続きを経験しており、再度、ギャンブルを理由とする破産をする場合

 この場合、ギャンブルを理由とする2度目の債務整理(破産)ということで、裁判所の目は一段と厳しくなります。事情がない限り、裁量免責を得ることは難しいでしょう。

イ ギャンブルの回数が多くギャンブルによる費消金額が大きい場合

この場合も裁量免責について裁判所の判断が厳しくなることが見込まれます。

ただ、これらはあくまでも一般論ですので、このようなケースでも、他の事情や裁判所の判断によっては、裁量免責を得ることができる可能性はあります。

2 ギャンブルが原因で借金にお悩みの方へ

ギャンブルが原因で借金にお悩みの方へ

以上で見てきたように、ギャンブルを理由とする破産では、免責を得るまでに様々なハードルがあります。

ただ、ギャンブルが原因であるからといって、免責が一切認められないということではありません。

免責を許可するかどうかは裁判所によって判断が異なることもありますし、個々の事例によって検討するべき点も自ずと変わってきます。

ギャンブルが原因で借金にお悩みの方も最初からあきらめずに、まずは、お早めに弁護士に相談することをおすすめします。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 権田 健一郎

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