自分の過失による労災について、弁護士が解説

業務中に事故に遭った際、ご自分の過失と思いこんでいませんか?

自分に過失があっても、労災を受けられます。

また、実際には、会社に過失があったり、同僚のミスは会社が責任を負ったりするため、会社に賠償請求ができる場合もあります。

今回は、さいたま市大宮区で開設以来30年以上、様々な法律相談を取り扱ってきたグリーンリーフ法律事務所が、自分の過失による労災についてコメントします。

自分に過失がある場合の労災

自分に過失がある場合の労災

労災は、労働者に過失がある場合でも、各給付を受けることができます。

これは、労災保険が労働者やその生活の保障のための制度であるためとされています。

但し、故意または重過失ある場合は、労働者は、労災保険を受けることができません。

労働者災害補償保険法

第十二条の二の二 
労働者が、故意に負傷、疾病、障害若しくは死亡又はその直接の原因となつた事故を生じさせたときは、政府は、保険給付を行わない。
② 労働者が故意の犯罪行為若しくは重大な過失により、又は正当な理由がなくて療養に関する指示に従わないことにより、負傷、疾病、障害若しくは死亡若しくはこれらの原因となつた事故を生じさせ、又は負傷、疾病若しくは障害の程度を増進させ、若しくはその回復を妨げたときは、政府は、保険給付の全部又は一部を行わないことができる。

自分に過失がある場合に、会社に責任追及できるか

自分に過失がある場合に、会社に責任追及できるか

では、自分に過失がある場合に、労災保険だけでなく、会社から賠償を受けることはできるでしょうか。

実際には会社に過失があったり、同僚のミスは会社が責任を負ったりしますので、自分に過失がある場合でも、会社に責任追及ができる場合があります。

自分に過失がある場合で、会社に責任追及ができる場合の具体例

機械が古くセンサーが作動していない

会社には、機械の安全装置が作動する状態に維持しておくべき義務がありますので、その違反と言えます。

機械の故障

機械が古くセンサーが作動していない

会社には、機械が故障しないよう、あるいは故障がすぐに判明し修理し、適切な状態に維持しておくべき義務があると言えますので、その違反と言えます。

従業員(同僚)のミス

会社は、従業員がミスをしないよう適切に安全教育する義務があると言えますので、その違反と言えます。

あるいは、従業員のミスは、会社の使用者責任を構成しますので、この観点でも責任を負います。

安全教育を施されていない

従業員(同僚)のミス

会社は、業務内容に応じて、適切に安全教育する義務があると言えると言えますので、その違反と言えます。

作業環境が安全ではない

作業環境が安全ではない

会社は、必要な安全器具・装置を設置、維持し、あるいは作業環境の安全を維持すべき義務があると言えますので、その違反と言えます。

会社に落ち度があるかもという場合は、会社に対して損害賠償請求ができる可能性があるため、弁護士に相談を

会社に落ち度があるかもという場合は、会社に対して損害賠償請求ができる可能性があるため、弁護士に相談を

会社に落ち度があるかどうかを判断するのは、最終的には、法解釈の専門家である裁判官です。そして、労働者のために、法解釈を駆使して主張できるのは、弁護士です。

従いまして、「自分に過失があるかも」「会社に落ち度はないのではないか」と思った場合でも、まずは一度、弁護士に相談してください。

あなたの、労働者の立場で、会社の過失がないかを検討してくれるはずです。

まずは労災認定を受けることが必要

労災認定を受けた場合に受けられる給付

労災認定を受けた場合に受けられる給付

労災に認定された場合には、次のような給付を受けることができます。

①休業(補償)給付

 給与の代わりになるもの、というイメージを持っていただければいいと思います。

②療養(補償)給付

いわゆる治療費をイメージしていただければいいと思います。

③ 障害(補償)給付

残念ながら、労災によって後遺障害が残ってしまった場合には、認定された等級に応じて、一定額の年金または一時金が支給されます。

④遺族補償給付

不幸にして、労災によって労働者が死亡してしまった場合には、遺族の方へ、遺族補償年金が支給されます。

⑤葬祭給付

葬祭料が支給されます。

⑥傷病補償年金

休業補償給付を受けていた方が、療養開始後一定期間経過しても治癒せず、一定の障害状態にある場合に支給される給付です。

ただし、労基署長の職権によることになっています。

労災認定を受けることの重要性

労災認定を受けることの重要性

以上の通り、労災認定を受けた場合には、各種の給付を受けることができます。

また、労災認定を受けることで、会社への責任追及の根拠の一つとすることができる場合もあります。

従って、自分に過失があるとお悩みの場合でも、まずは、労災認定を受けることが重要になります。

労災での賠償請求について、グリーンリーフ法律事務所ができること

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所の特徴

開設以来、数多くの労災を含む賠償に関する案件・相談に対応してきた弁護士法人グリーンリーフ法律事務所には、賠償に精通した弁護士が数多く在籍し、また、労災専門チームも設置しています。

このように、弁護士法人グリーンリーフ法律事務所・労災専門チームの弁護士は、労災や賠償に関する法律相談を日々研究しておりますので、労災事件に関して、自信を持って対応できます。

なお、費用が気になる方は、上記HPもご参照ください。

最後に

最後に

グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、17名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。

また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。自分に過失がある事故でも労災の認定を受けた方は、まずは、一度お気軽にご相談ください。

■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 野田 泰彦

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