仕事中に足の指を骨折してしまった場合、労災として後遺障害が認定される可能性があります。
認定される後遺障害は、残存する症状によって様々です。
このコラムでは、足指の骨折に伴う後遺障害について、詳しく解説します。
1 労災で足の指をけがした場合
業務中に足を物の間に挟んだり、足の上に物を落としたりした場合、足の指を骨折してしまうことがあります。
画像検査で骨折していることがすぐに分かることもありますが、そうではないこともあります。
例えば、足の指が腫れている、いつもできる動きができない、というような場合、足指が骨折している可能性があります。
このような場合は、できるだけ早期に画像検査を受けて、骨折の有無を明らかにすることが大切です。
足の指を骨折した場合、治療をしても機能障害が残ってしまうことがあります。
足指の機能障害は、①一足だけなのか、両足なのか、②いくつの足指の関節に機能障害があるのか、③関節の機能障害の程度、によって分類されます。
「2」では、足の指を骨折した場合、認定される可能性のある後遺障害について解説します。
2 足指の骨折で認定される可能性のある後遺障害
足の指を骨折した場合、以下の表記載の後遺障害が認定される可能性があります。
等級 | 症状 |
第7級11号 | 両足指の全部の用を廃したもの |
第9級15号 | 1足の足指の全部の用を廃したもの |
第11級9号 | 1足の第1の足指を含み2以上の足指の用を廃したもの |
第12級12号 | 1足の第1の足指又は他の4の足指の用を廃したもの |
第13級10号 | 1足の第2の足指の用を廃したもの、第2の足指を含み2の足指の用を廃したもの又は第3の足指以下の3の足指の用を廃したもの |
第14級8号 | 1足の第3の足指以下の1又は2の足指の用を廃したもの |
※「足指の用を廃したもの」とは、①第1の足指は末節骨の半分以上、②その他の足指は遠位指節間関節以上を失ったもの又は中足指指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)に著しい運動障害を残すものとされており、具体的には、次の場合がこれにあたります。
(ア)第1の足指の末節骨の長さの2分の1以上を失ったもの
(イ)第1の足指以外の足指を中節骨もしくは基節骨を切断したもの又は遠位指節間関節又は近位指節間関節(第1の足指にあっては指節間関節)の可動域が健側の可動域角度の2分の1以下に制限されるもの
3 足指の骨折について後遺障害を認定してもらうためには
(1)足指の検査方法
XP検査やCT・MRI等の画像検査により、骨が癒合しているかどうかを確認します。
後遺障害診断書に記載する可動域角度の測定値については、日本整形外科学会及び日本リハビリテーション医学会により決定された「関節可動域表示ならびに測定法」にしたがって記載します。
(2)後遺障害を認定してもらうためのポイント
「2」で述べましたとおり、
足指の骨折により後遺障害が生じたと認定されるためには、
中足指節関節若しくは近位指節間関節(第一の足指にあっては、指節間関節)に著しい運動障害を残すこと
又は、
神経症状(痛み、痺れなど)が残っていること
を明らかにする必要があります。
こうした症状について明らかにするためには、以下の資料が重要になります。
①レントゲン、CT、MRIなどの画像検査の結果
②担当医に作成してもらう後遺障害診断書(痛み、痺れなどについても記載)
③可動域検査の結果
つまり、画像検査、可動域検査など必要な検査を漏れなく受け、痛み・痺れなどの症状や生活への影響についても医師に伝え、それらの内容を後遺障害診断書にしっかりと記載してもらう必要があるのです。
また、一度の画像所見で骨折と診断されなくても、強い痛みや腫れがある場合、骨折が生じている可能性がありますので、もう一度精密な画像検査をしてもらうことも必要です。
そのためには、早めに後遺障害等級認定に詳しい弁護士に相談し、対応方法についてアドバイスを受けることが大切です。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、18名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。