アスベストって何?危険性は?よく聞くけど何が問題なの?

アスベストによる被害がある、ということ自体はときどき耳にします。

ですが、アスベストがそもそも何なのか、そしてどういう被害が起きているのかということは、実際にあまり知られていません。

ここでは、アスベストによる健康被害と、それに関する法的な問題について解説いたします。

アスベストって?

アスベストって?

アスベスト(石綿)は、その優れた耐熱性や耐久性から長年にわたり建材や工業製品に利用されてきました。

しかし、アスベストは非常に細かい繊維で構成されており、その微細な繊維を吸入することで健康被害を引き起こすことが明らかになり、現在では使用が厳しく規制されています。

この記事を読んでいる人の中にも、違法による解体作業や不確実な潰し工事が施展されている現場に出入りしている方もいるかもしれません。あなたの仕事場所や活動住城は、本当に安全な環境でしょうか?

アスベスト問題は単なる過去の話ではなく、今もなお多くの人々の健康を脅かしている現実があります。特に長期間アスベストに晒された労働者が、定年を迎えた後に深刻な病気を発症するケースが増えており、社会問題となっています。また、不適切な処理により環境中に拡散されたアスベストが、新たな健康被害を引き起こすリスクも指摘されています。

アスベストの種類と分類

アスベストの種類と分類

アスベストは大きく2つの系統に分類されます。

1.蛇紋石系アスベスト

代表例:クリソタイル(白石綿)

  • 世界的に最も多く使用されていたアスベストの一種。
  • 繊維が細く、柔軟でしなやか。
  • ブレーキパッドや床材、屋根材などの建材に使用。

2. 角閃石系アスベスト

蛇紋石系と比べて繊維が硬く、針状で肺に深く入り込みやすいため、より危険視されています。代表的な種類としては、下記のものがあります。

① アモサイト(茶石綿)

  • 褐色をしており、特に耐火性・耐薬品性に優れる。
  • ボイラー断熱材、化学工場の設備などに使用。

② クロシドライト(青石綿)

  • 非常に細かい針状の繊維を持ち、発がん性が高いとされる。
  • 船舶や化学工場の断熱材に使用。

③ トレモライト、アクチノライト、アンソフィライト

  • 産業利用は少ないが、天然鉱物の中に混入していることがある。
  • 一部の化粧品やタルク製品に含まれることがあり、問題視されている。

これらのアスベストはそれぞれ異なる性質を持ちますが、いずれも吸入すると健康に悪影響を及ぼす危険な物質です。

アスベスト被害の実態と事例

アスベスト被害の実態と事例

アスベスト被害は広範囲にわたりますが、特に深刻な影響を受けた具体的な例をいくつかご紹介します。

①造船業で働いていた男性(70代)
数十年前に造船所で働いていた男性が、中皮腫を発症。アスベスト粉じんに長期間さらされていたにもかかわらず、会社は適切な対策を講じていなかった。現在、損害賠償請求を進めているという例。

②学校の改修工事で曝露した作業員
古い学校の改修工事中、アスベストを含む天井材を適切な防護措置なしで撤去した結果、数人の作業員が暴露。数年後に呼吸器疾患を発症し、健康被害を訴えているという例。

③家庭内暴露による被害
過去にアスベストを扱う仕事をしていた父親の作業服からアスベストが家の中に持ち込まれ、家族が間接的に暴露。娘が40代で中皮腫を発症し、被害者として訴訟を起こしている例。

このように、アスベスト被害は職場だけでなく、家庭や公共施設でも発生する可能性があります。

アスベスト被害にあった方はどうしたらいいの?

アスベスト被害にあった方はどうしたらいいの?

アスベストによる健康被害を受けた方、またはご家族の方は、適切な補償を受ける権利があります。

しかし、具体的にどのような補償を受けられるのか、補償を受けられるとしても、どのような手続きをすればいいのかなど、わからないことが多いかと思います。

アスベストによる健康被害は、弁護士に相談をすることで、適切な補償を受けることができる可能性があります。

具体的には、下記の手続きをすることで補償を受けられる可能性があります。

①労災申請のサポート – アスベスト関連疾患の認定手続き
②損害賠償請求のサポート – 企業や施工業者に対する賠償請求

特にアスベストは、労働を行う中で健康被害に遭われることが多いです。

業務中の災害であれば、労働災害に該当する可能性があります。

労働災害に該当する場合、労災保険から適切な補償を受けることができますので、ぜひ一度弁護士へご相談していただけますと幸いです。

あなたが被害を受けた場合、または家族の健康が脅かされている場合、適切な法的手続きを通じて補償を受けることが可能です。

まとめ

まとめ

アスベストは過去の問題ではなく、今も多くの人々の健康を脅かしています。適切な管理や規制が求められる中で、違法な解体作業や不適切な処理が行われている現場では、今後さらなる被害の拡大が懸念されます。

被害を防ぐためには、個々の意識向上とともに、法的な支援を受けることが重要です。アスベストに関する問題に直面している方は、早めに弁護士に相談し、自身や家族の権利を守るための行動を起こしましょう。

アスベストに関する問題は、専門的な知見も必要となります。

少しでも気になることがあれば、ぜひ弁護士にご相談ください。

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■この記事を書いた弁護士

弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
弁護士 遠藤 吏恭

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