24時間体制の警備を実施する際の仮眠時間は労働時間に含まれるのでしょうか。
この点について、最高裁は、
①仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には労基法上の労働時間に当たる、
②仮眠時間において労働契約上の役務の提供が義務付けられていると評価される場合には労働からの解放が保障されているとはいえない、
という準則を示しています(大星ビル管理事件)。
警備業務においては、緊急対応が求められる場面も少なくないことから、上記準則によった場合、常に、仮眠時間=労働時間と捉えられてしまうのではとの懸念がありますが、必ずしもそうではありません。
実際の訴訟でも、従業員の主張する仮眠時間中の労働と従業員の勤務内容とを詳細に分析した上、仮眠時間を中断してまで行う必要のある作業が存在しなかったことを主張・立証することで、従業員の主張を退けたケースが存在します。
すなわち、事実レベルでいかに具体的な主張ができるかによって結論は十分に変わりうるということであり、そのためには、従業員の日々の業務実態の把握が重要となります。