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衣料品の販売は、ごく一般的に行われており、多くの販売店があります。
洋服などの販売で何か行政から指摘を受けたり、罰則があることは考えにくいかと思います。
しかし、場合によっては薬機法に違反してしまうこともあるので注意が必要です。
ここでは薬機法に違反しないためのポイントを解説します。
誇張広告・効能・効果などの宣伝
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衣料品の販売をすることで、直接的に薬機法違反になることは通常はありません。
薬機法は、そもそも衣料品について規定している法律ではないからです。
ですが、特定のケースでは薬機法の規制の対象になってしまう場合があります。
衣料品を販売するときに、健康や美容に効果があるといった表現を使用する場合には、注意が必要です。
例えば、「この服を着るとダイエット効果があり痩せます!」「この服を着ると保湿され肌トラブルが改善します!」などと宣伝文句をつけて販売する場合、このような効能や効果を証明できない場合、薬機法違反となる可能性があります。
薬機法は、医薬品や医療機器の効能効果を虚偽または誇張して宣伝することを禁じておりますので、虚偽の可能性がある文言は用いるべきではありません。
つまり、洋服そのものに直接的に医薬品的な効果がないにもかかわらず、あたかも医薬的な効果があると思われるような表現を使うと、薬機法に基づく虚偽広告として処罰される可能性があります。
医療機器や薬事製品として扱うこと
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販売する衣料品が、医療機器や医薬品の成分を含む商品(特定の治療効果があるとされる衣服や、ナノテクノロジーを用いた治療用衣類など)として販売されている場合、その商品の販売は薬機法の規制に該当する可能性があります。
例えば、「この服には医療効果のある成分が含まれており、着るだけで治療効果がある」と主張する医療用衣料品や、薬効成分を内包した衣類が製造・販売されている場合、これらを販売するためには医療機器や医薬品としての許可や認証が必要になります。
このような商品が薬機法の規定に適合していない場合、販売は違法となります。
そのため、特定の医療効果や治療効果を謳った衣服を販売すると薬機法に違反する場合があります。
化粧品や美容に関する商品との関係性
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洋服の販売自体が薬機法に違反するわけではありませんが、例えば「この服を着ることで肌を美しくする効果があります!」「この服を着ていると体調を整える効果が期待できます!」といった文言で販売される場合、注意が必要です。
その衣服が化粧品や美容品としての機能を謳っていると、薬機法に基づく広告規制に抵触する可能性があるからです。
例えば、服に「美肌成分」が含まれていると謳う商品がある場合、それが実際に医薬品や化粧品と同等の効能を謳っているならば、薬機法に基づく広告規制や認証が求められます。
そのため、衣服について医薬品や化粧品の効能を謳った場合、その表示や広告が薬機法に違反することがありえますので、注意が必要です。
もし違反してしまったら…
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これらの薬機法の規則にもし違反した場合、罰則を受けることになりかねません。
薬機法違反に対する罰則は厳しく、違反の内容によっては懲役刑や高額な罰金刑が科せられることもあり得ます。
またこうした罰則以外にも企業が一度違反をしてしまうことで、信用を毀損する可能性があります。薬機法は、そもそも医薬品などの品質を保ち、国民の生命や健康を守るということが目的ですから、これに違反することで社会的なイメージが大きく下がってしまいます。
このように影響が大きいにもかかわらず、薬機法には専門的な知識が必要で、どのようなことが薬機法違反になるのかわかりにくい点もあるので注意が必要です。
まとめ
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ここまで、薬機法に違反しないために、衣料品の販売についての注意点を解説しました。
基本的に、通常の洋服の販売自体は薬機法違反には該当しません。
ただし、健康効果や治療効果を謳う場合、その広告や販売方法が薬機法に抵触する可能性があります。
もし洋服が医薬品や医療機器に関連する機能や効能を主張するのであれば、薬機法に基づく規制を遵守しなければなりません。
薬機法は、法律を読んでも難解な用語が多く、一方で、これは規制に反しないだろうと思って誇大広告などをしてしまい、知らぬ間に違法なことを行ってしまう可能性がある難しい分野です。
薬機法に違反しないかなど、きちんとした判断をするには専門的な知識が必要となります。
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